スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

質疑応答91

【質問】


質問(2)

 親鸞会で説かれている「求法太子」の教えは善知識への無条件絶対服従を説き、非常にインパクトが強いものでしたが、どの経典を典拠としているのかご教示ください。
 また、このような自力聖道門の教えにおける「絶対服従」の教えを浄土門に適用してそのまま教えることについては許されるとお考えでしょうか?



【回答】

 まず、浄土宗僧侶の方の御意見を紹介します。

        *         *         *

 この話はジャータカに収録されています。求法太子本生(DharmagaveSin-jAtaka)。

 干潟龍祥『ジャータカ概観』(パドマ叢書)によると、漢訳『撰集百縁経』(大正蔵経vol.4.pp.203-255)No.35、サンスクリット文‘AvadAnaSataka’No.38に収録されています。

 これは釈尊の前世における、すさまじい求道姿勢を語ったエピソードです。幾多の生涯においてこれほどの難行・苦行を重ね、自力で覚りに至った釈尊を、私は心から尊敬いたします。

 ただし釈尊も阿弥陀仏も、私逹にこれほどの難行・苦行を求めてはおりません。むしろこのような辛い思いをさせたくなかったから、阿弥陀仏が本願を立て、釈尊が浄土門の教えを説いてくださいました。

 その教えを明かにされたのが法然上人であり、親鸞聖人はその教えを受け継がれた方です。法然上人は、往生される二日前に弟子の源智上人の要請により、『一枚起請文』をお書きになっておられます。

その『一枚起請文』において法然上人は、

ただ往生極楽のためには、南無阿弥陀仏と申して、
うたがいなく往生するぞと思い取りて申す外には別の仔細候わず。

(和訳)
極楽浄土に往生するためには、阿弥陀仏の本願を信じ、「南無阿弥陀仏」とお念仏を申したならば「間違いなく往生するのだ」と思って、お念仏を申すほかには、何もないのである。

と述べられ、さらに、

この外に奥ふかき事を存ぜば、二尊のあわれみにはずれ、本願にもれ候うべし。

(和訳)
このこと以外にお念仏の奥深い教えを知っていながら、隠しているというのであれば、あらゆる衆生を救おうとする、釈尊と阿弥陀仏の慈悲にそむくことになり、私自身が、阿弥陀さまの本願による救いから、漏れおちてしまうことになるであろう。

と述べておられます。

「求法太子の求道姿勢」は「奥深き亊」どころの話でなく、他力・易行道である浄土門を逸脱した、自力・難行道である聖道門の教えそのものです。

釈尊と阿弥陀仏という二尊の御心を無視し、浄土門の教えを求める者に、「求法太子の求道姿勢」を強要する人物は、法然上人の教えを受け継ぐ者ではありません。

        *         *         *

 以下、清森の意見です。

 本生経について専門に書かれた仏教書を読みますと、以下のような記述がありました。


●弟子たちが釈尊の悟りの偉大性を考えると、この釈尊の悟りが、この世での僅か六年間の修行で得られたとは考え難いのである。必ずや前世において、過去無量の時間を費やして、幾度も生死をくり返して、成仏のための修行を続けておられたに違いないと考えるようになったのである。
 そのために、釈尊が前世でどんな生存を得られ、そこでどんな修行をされたか等を、具体的に示そうとして、釈尊が前世において身を捨てて他を救われた物語が、多数に説かれるようになったのである。このようにして作られた釈尊の前生での「自己犠牲の物語」が『本生経』と名づけられた。それ故、本生経の萌芽は釈尊の滅後間もない時代に起こったのである。そしてその後本生経の物語は次第に増加して、「五百の本生」といわれるほどに、沢山の本生談が説かれるようになった。それらの物語の中には、弟子たちが新しく創作した物語も多いが、同時に、当時インドに行われていた物語文学から借用して、それを釈尊を主人公とする話に改作した話も少なくない。そのために『本生経』の説話には、インドの古い説話文学や、『イソップ物語』などと重複する話も含まれており、世界の説話文学の研究にも貴重な資料となっている。
(釈尊の過去世物語~本生経 平川彰訳 筑摩書房)


 本生経には、色々な話が混じっていますので、説話の全てが仏説に適っているかどうか分からない面があると思います。

 ですから、この経を根拠とするのではなく、参考程度に留めた方が良いと思います。

 仏教の精神から考えて、善知識に命がけで無条件服従せよと教えられているとは考え難いですので、余り、問題にされなくて良いと思います。
スポンサーサイト

COMMENTS

COMMENT FORM

TRACKBACK


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。