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質疑応答198

【質問】


 清森さんの書かれた内容からしますと、法を説く方は相手に応じて、18願、19願、20願、場合によっては聖道自力の仏法を説かねばならないという事でしょうか。また聞く側も自分にあった教えを選んできかねばならないという事になると思いますが、その判断基準はどこにあるのでしょうか。



【回答】


 法を説く方について、親鸞聖人は以下のように教えられています。


●仏および菩薩を大医とするがゆえに、「善知識」と名づく。何をもってのゆえに。病を知りて薬を知る、病に応じて薬を授くるがゆえに。(教行信証)


 このように、仏教は対機説法ですから、聖道仏教の教えが必要な相手がいれば、そういう相手に説くこともあると考えられます。(「聖道自力の仏法を説く」という言い方は正しくありません。私たちが聖道仏教を実践しようとすると、自力になってしまうので、浄土門から見て、自力の仏教と呼ぶのです。)

 実際に、お釈迦様の生涯のほとんどは、聖道仏教の教えです。お釈迦様の時代の人が全員、18願の教えのみを説いてさえおれば救われたのであれば、お釈迦様はそうされたはずです。わざわざ遠回りさせるような無慈悲な仏様ではありません。

 これは説く側について教えられたお言葉ですので、聞く側が自分の機に合った法を選んで求めよという意味ではありません。そもそも、自分に必要な教えが判断できるような人には、善知識は必要ないからです。

 なお、聖道仏教と聞くと、親鸞聖人のアニメのような修行を思い浮かべられるかも知れませんが、お釈迦様の説かれた聖道仏教とは全く違います。(詳しい説明は質問の趣旨ではないので省きます。)



 では、どういう人に対して18願の教えが説かれ、どんな人に19願や、聖道仏教の教えが説かれるのでしょうか?

 非常に大雑把な言い方をすれば、浄土を求めている人には18願の教え、浄土を求めていない人には、善が勧められています。
 このことを、親鸞聖人は以下のように仰っています。


●しかるに二善・三福は報土の真因にあらず。諸機の三心は自利格別にして、利他の一心にあらず。如来の異の方便、 欣慕浄土の善根なり。(教行信証)


 つまり、善を勧められた方便の教えは、浄土を願わせるためである、ということです。


 では「浄土に生まれたい」と、口先で言っている人であれば、どんな人でも18願の教えさえ説けば良いかというと、それも違います。その人の思っている「浄土」が、「仏教で教えられている浄土」でなければ、浄土を願っていることにならないからです。

 浄土とは、浄らかな世界ということです。仏教で「浄らか」とは、「煩悩の穢れのない」ことを言います。この世は、煩悩に穢れているので、煩悩を離れた世界に出たいというのが、浄土へ行きたいということです。

 では、何のために浄土へ行くのかと言いますと、善をするためです。善は「しなければならないもの」ではなく、「したいもの」だと説明しましたが、穢れた環境では善をしたいと思っても、思ったように善ができません。そこで、浄らかな世界に出て、善をしたいと思うようになるのです。

 ですから、「信心決定するために善をする」のは間違いですが、「浄土往生して善ができるようになるために信心決定する」なら正しいです。前後が逆になってしまっているのです。



 もし、「浄土真宗は善をしなくて良いのだから、私は善をやりたくありません」とか「煩悩はどうせなくならないから、煩悩のままやりたい放題でいいのだ」とか、「浄土往生して、のんびり楽がしたい」などと思っている人があったとしたら、その人が求めているのは、間違っても「仏教で教えられる浄土」ではありません。

 そういう人は、おそらく「善」の内容を勘違いしているのだと思います。親鸞会で教えられているような「善」を想像して「やりたくない」と言われるならば、それは当然のことです。
 ですから、まず仏教で教えられている善とはどういうものか、正しく理解する必要があります。これが聖道仏教の位置づけになりますので、親鸞会の人には、聖道仏教の教えの理解が必要な人が、少なくないように思います。決して、山にこもって修行せよという意味ではありません。
(「善ができないと知らされるまで、全力で善に励め」というのも間違いです。浄土真宗では、浄土往生して善ができるようになることが勧められています。)



 親鸞会の大きな問題点の一つは、浄土に生まれる目的が、「煩悩を離れて善ができるようになること」ではなく、「無間地獄行きの恐怖から逃れること」になってしまっていることだと思います。
 これは、とんでもない目的違いですので、18願とか、19願とか、聖道仏教というものではなく、外道の教えであることを知って頂きたいと思います。
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